このページはこんな方に向けて書いています
- 2店舗目を出したいが、出していいタイミングか判断できない
- 売上はあるのに利益が手元に残らない
- 人件費率が高いのか低いのか、基準を持っていない
- 物件を探しているが、家賃をいくらまで許容していいか分からない
- 借入があるため、投資に踏み切れない
結論。多店舗展開できるかどうかは、出店してから決まるのではなく出店前の財務設計でほぼ決まっています。基準は明確です。人件費率は55%が上限、家賃比率は10%が目標。
そして浮いた分を広告費に回す。この設計がある店だけが、店舗を増やすほど利益が増えます。
割ってはいけない基準値
| 人件費率 | 上限55%。60%を超えた状態で店舗展開して黒字になっている例を、私は見たことがありません。 |
|---|---|
| 家賃比率 | 目標10%。家賃50万円なら売上500万円が必要、という逆算で物件を判断します。 |
| 広告費 | 人件費と家賃を抑えて浮いた分を広告費に回す。これが展開の原資になります。 |
| 一席あたりの売上コミット | 税抜60万円(フレックス勤務)/80万円(フルタイム・出勤数で変動)を目安にしています。 |
Leoneの人件費率は48%です。郊外中心で家賃が安く、その差分を広告に投下できるので、店舗を増やすほど収益構造が強くなります。逆に人件費率が60%を超えている状態では、売上を増やしても利益は残りません。これは努力の問題ではなく構造の問題です。
一席の稼働は入客数で管理する
一席あたり税抜60万円というコミットは、単価13,000円で1日2名の入客があれば到達する水準です。この2名を達成したら退勤して構わない設計にしています(出勤としては計上します)。無限に時間を使わせる設計にしないことが、定着率を守ります。
新店の立ち上げ設計
① 損益分岐点と回収期限から逆算する
いつまでに損益分岐を超えるかを先に決め、そこから逆算してフェーズを設計します。オープン直後は緩やかに立ち上げ、研修とマニュアルの定着に充てます。予約数は一定は担保されるので、勝負はどこでギアを上げるかです。
② 広告のアクセルは予約導線に同期させる
予約が受けられない状態で広告を回すと、費用がそのまま消えます。媒体掲載やLINE予約のローンチに合わせて広告を本格化させます。目安はオープンの約1ヶ月前から本気でアクセルを踏む形です。
③ スタッフは段階入社にする
全員を同時に入れると、立ち上がりの客数に対して人が余り、稼働率と人件費率が同時に悪化します。段階入社にして、客数の立ち上がりに合わせます。
④ 立ち上げ自体を再現可能な事例にする
立ち上げの手順を作り込んでおくと、それ自体が資産になります。次の出店でもフランチャイズ提案でも、同じ手順を使えるからです。
地方・郊外に出す
私たちの店舗はほとんどが郊外です。理由は家賃が安く、利益構造が有利になるからです。地方出店のボトルネックは集客ではなく求人なので、そこを雇用環境の設計で解けば勝てます。
| 商圏の目安 | 人口15万人程度、近隣競合30サロン程度であれば、自力のマーケティングで集客も求人も成立します。 |
|---|---|
| 予約媒体 | 地方では必須ではありません。媒体がパフォーマンスを発揮するのは都心です。 |
| 戦い方 | 地方は各サロンのリピート率が高く、新規流入が少ない市場です。だから他店から浮気させる理由を作ることがマーケティングの役割になります。 |
集客も中途採用も、構造は同じです。すでに他店に通っている人・他店で働いている人に、移る理由を提示して刈り取る。これをやっているサロンがまだ少ないこと自体が機会です。
財務の見方
クロス予算表で未来と過去を突き合わせる
予算は「未来の計画」と「過去の実績」をクロスさせた表で管理します。計画だけでも実績だけでも判断できません。四半期ごとに決算を締めて、ズレの原因を特定します。年1回の決算では、修正が間に合いません。
税理士は教育する
税理士は税務の専門家であって、事業成長の設計者ではありません。こちらが見たい数字の形を伝え、出してもらう形に育てます。渡されたまま眺めているだけでは、経営判断に使える資料になりません。
借入は課題ではなく強み
借入があること自体は事業課題ではありません。むしろ信用の証です。問題は、返済を目的にした経営になることです。返済最優先にすると投資が止まり、成長が止まります。見る順番は営業利益、経常利益、そしてキャッシュが何ヶ月分あるか、です。追加融資は、法人口座を作った銀行への紹介依頼から始めるのが基本で、黒字かつ営業利益率10%以上が判断の目安になります。
出店の前に確認すること
財務基準を満たしていても、リピート構造と採用の仕組みが未完成なら、2店舗目で必ず崩れます。4変数経営診断で穴を確認し、次回予約設計と採用設計を先に固めてください。
よくある質問
- Q. 人件費率が60%を超えています。どうすべきですか?
- 売上を増やして率を下げるか、席あたりの生産性を上げるかの二択です。この状態で出店すると、赤字店舗を増やすことになります。出店より先に構造を直します。
- Q. 家賃比率10%は都心では現実的ではありません
- 都心は家賃が高い分、単価と回転で取り返す設計が必要です。私たちが郊外中心なのは、家賃を抑えた分を広告費に回すほうが再現性が高いと判断しているからです。
- Q. 借入があると出店できませんか?
- 借入の有無ではなく、営業利益とキャッシュの厚みで判断します。黒字で営業利益率10%以上あれば、追加融資の相談は現実的です。
- Q. 2店舗目はいつ出すべきですか?
- 1店舗目の集客・リピート・採用・教育が仕組みとして回っているかが基準です。経営者が現場にいないと回らない状態では、2店舗目で必ず破綻します。
自店の「穴」がどこにあるか、一緒に見ませんか
集客・リピート・求人・利益率のどこに手を入れれば売上が最も伸びるのか。
現状の数字をお聞きして、優先順位をその場でお伝えします。
※本ページに記載した数値は、株式会社Leoneの自社計測値および株式会社GAMEVATEの顧問先支援データに基づきます(2026年7月時点の実測値)。掲載は事実の記録であり、同じ成果を保証するものではありません。
最終更新:2026年8月24日/執筆・監修:山本 政樹(株式会社GAMEVATE 代表取締役CEO)
